装置名 ガスクロマトグラフ質量分析装置
GC-MS (Gas Chromatography Mass Spectrometry)
機種名
Agilent製 MS-6890 (ガスクロマトグラフ)
日本電子製 JEOL JMS-700 (通称MStation) (質量分析装置)
原理  物質を構成している個々の化合物の質量(重さ)を正確に測定し、その重さからその化合物が何であるかを調べる装置です。高真空のもとで気化した試料分子に大きいエネルギーを与えると、分子中の電子がたたき出されて分子イオンが生じます。この分子イオンは、さらに開裂を起こしてフラグメントイオンと呼ばれるいくつかのイオンを生じます。これらのイオンは、質量(m)と電荷(z)の比(m/z)の大きさに順に分離され、分離されたイオンは順次検出器に到達します。検出されたものは質量スペクトルといわれ、横軸に質量電荷比(m/z)、横軸にイオン強度(どれだけの量があるか)をとった多くのピーク群からなるグラフとして示されます。
特徴
  • 逆配置(磁場、電場の順に配置)の二重収束磁場型質量分析計で、高い分解能でも高感度で測定できます。
  • イオン源をはじめとする、各種パラメータのオートチューニング機能を搭載したフルコンピュータコントロールのMSシステムです。
  • 高分解能測定では質量が1/1000(ミリマス)の単位まで測定できます。それにより、精密質量数がわかるので、演算による推定組成を示すことができます。
  • フラグメントイオンへの開裂様式から分子構造が推定できます。
用途  本分析装置は、ユーザーにより合成された有機化合物の同定に主に利用されています。

 最近の本装置を用いた研究結果が発表されている文献例。
  1. Li-Yan Wang, Satoshi Igarashi, Yasuhiko Yukawa, Takeshi Hashimoto, Kunio Shimizu, Yoshimasu Hoshino, Andrew Harrison, Guillem Arom, and Richard E. P. Winpenny, Chem. Lett., 32, 202-203 (2003).
運用
  • 測定は技術員操作による依頼測定です。